第12回 「メガネをかけなくても見えるようになった」と喜ばれている方は…

第12回 「メガネをかけなくても見えるようになった」と喜ばれている方は…

ご自身も含め、皆さんの周りで「最近はメガネかけなくても近くの文字が見えるようになったんだよ」と喜ばれている方と出会ったことはありませんか?

今までメガネで苦労されていた方にとっては朗報かもしれませんね。
ですが、それは視力による影響によるもの、つまり「屈折の変化」が要因で今まで見えていなかったものが一時的に見えるようになっているのです。
むしろ、「見えるようになった」という安心感が、その裏で進行しているかもしれない目の病気に気づかない可能性もあります。

代表的な例としては白内障です。

「屈折の変化」と説明しましたが、近視がどんどん進んで行く方は水晶体の中心部が硬くなる「核白内障」と診断されるケースがほとんどです。
放置すれば硬さが増していき、手術の難易度が高くなる非常にリスクの高い白内障の一種で、早い方で40歳代から核白内障の症状が始まり、毎年のようにメガネのレンズやコンタクトレンズの度数を上げていくようになります。

先の事例で老眼鏡を使っていた方がメガネをかけなくても見えるようになったのは、遠視の方は一時的にメガネをかけなくても遠方が見えるようになり、老眼鏡を使っていた方は核白内障の影響により近視化することで、一時的に裸眼で手元の距離が見えるような屈折の状態に変化したからです。

なるべく早めの眼科受診をお勧めいたします。

最近では以前に比べて白内障手術を行うタイミングも早くなっています。
核白内障に関しては石のように硬くなってからでは手術時間も必要以上に長くなり、水晶体を砕いて吸引する際に超音波エネルギーを使う時間もその分必要になっていきます。
長く超音波を使った手術を行なった場合、翌日以降の視力回復にも遅れが生じることもありますので、治療のタイミングが重要になりますね。

もし、周りに今回ご紹介したような症状の方がいらっしゃいましたら、なるべく早めの眼科受診をお勧めいたします。

見え方に関するお悩みやお困りごとは、金鳳堂にご相談ください。