第17回 「緑内障を治療する意味とは」

第17回 「緑内障を治療する意味とは」

緑内障を治療する意味とは

治療開始が遅れた場合は失明に至るケースもあります。

40歳を過ぎてから特に気をつけたい眼の病気の一つとして挙げられるのが緑内障です。

健康診断では視力測定までは行いますが、眼の奥まで細かく調べることはありません。
こうした環境の背景もあり、自覚症状の少ない緑内障を発症する方が国内で増えているのが現状です。
日本人の失明原因の第1位と言われ、40歳以上の20人に1人が発症するとされています。

白内障は適切な時期に手術をすれば視力の回復が期待できますが、緑内障は気づかないまま放置すると、生涯の視力に関わる程、重くのしかかってしまうので常に気に掛けていかなければなりません。
白内障と同じように緑内障も加齢による症状だけとは限らないので、若いからといっても決して油断ができない眼の病気です。

基本的には年単位でゆっくりと視野が欠けていきますので、治療開始が遅れた場合は失明に至るケースもあります。

現状では残念ながら視野障害を回復させる治療法は確立されていません。

日本は世界有数の長寿国と言われていますが、厚生労働省の調査では男性の平均寿命は80歳ほど、女性は87歳ほどという結果でした。

日常的・継続的な医療や介護に依存しない自分の心身で生活を維持できる健康寿命は平均寿命よりも10歳ほど若くなります。

こうした背景を考えても生活において「見える」ことはとても重要になりますよね。
介護が必要な時期になったら尚更です。
緑内障=視野障害ですが、こうした症状を自覚する方のほうが少なく、9割近い方が無自覚とも言われています。

現状では残念ながら視野障害を回復させる治療法は確立されていません。
現在の主な治療法としては進行を遅らせるための点眼治療が行われています。

日常生活において支障が出たタイミングで手術を行う白内障治療とは違って、緑内障は生活に支障が出ていない、自覚をしていない時からの治療が必要ということになります。

下方視野障害の場合は転倒するなどの危険もあります。

例えば40歳で緑内障を発症した場合で生涯にわたる視野障害の進行を予測してみます。

これはあくまで予測ですので参考レベルですが、40歳で緑内障を患って治療をせずに放置した場合、70歳の時には日常生活に支障をきたします。

平均寿命まで生きるとして男性は約10年間、女性は約13年間も不自由を感じる目の状態で生活を行うことになります。
平均寿命は医学の進歩、食生活の改善などで今後も伸びるとも言われていますので、早期発見による治療が重要になっていきます。

運転・歩行・食事・読書など、それぞれの生活シーンで使用する視野は全て同じではなく、一定ではありません。ゆえに自覚を感じにくいと言われています。

ですが、歩行時に関しては足元を見ることが多いので下方視野障害の場合は転倒するなどの危険もあり、初期の段階で下方視野に異常がある場合は特に注意が必要と言われています。
また、視野障害は左右でも違いがあるので、気にならない目の方で過ごしていけば不自由と自覚することが更に遅れることになります。

少しでも上下左右の見え方に違和感を覚えたら、その時こそは迷わず眼科を受診してください。

一般の健康診断では視力が下がっていることは指摘されても原因まで特定できる検査を行うわけではありません。

だからと言って自分で自覚をしない以上、眼科を受診することも無いかと思います。
ということで、簡単なセルフチェックとして片目チェックを行うことをお勧めします。
常に見え方の左右差を意識するだけでも違いますよ。目標物を決めて上下の見え方を左右で比べてみるのも良いかと思います。

もし、少しでも上下左右の見え方に違和感を覚えたら、その時こそは迷わず眼科を受診してください。

・ 40歳以上
・ 強度の近視の方
・ 血縁者に緑内障の方がいる

上記に該当される方には特に気をつけてお過ごしいただければと思います。

受診の際には眼のCTと言われるOCT(光干渉断層計)と呼ばれる検査機器を導入されている眼科をお勧めします。
網膜の断面像が撮影できるので従来の眼底カメラよりも、より精密に検査が行えて早期発見にも繋がります。
最近では多くの施設が導入しているようですが、事前にホームページなどで確認してみるのも良いでしょう。

見え方に関するお悩みやお困りごとは、金鳳堂にご相談ください。