第29回「円錐角膜について」

主に思春期に多く発症し、30〜40歳くらいまでは進行する

今回は「円錐角膜」についてのお話です。

円錐角膜は角膜(黒目の部分)の中央が薄くなり、円錐状に突出する疾患です。
主に思春期(13〜18歳)に多く発症し、30〜40歳くらいまでは進行すると言われています。
両眼に生じることが多いですが、片眼だけの場合や、左右差のある場合もあります。

症状としては、初期の段階では眩しさや光に過敏になるなど、見え方に軽い変化が起こるだけですが、進行してくると突出が強くなると視力の低下や見え方の歪みが生じます。

突出部分の角膜に濁りが生じて急激に視力が低下することもあります。

アトピー性疾患や眼をこする癖のある方に多いと言われています

円錐角膜の明確な要因については未だ不明ですが、アトピー性疾患や眼をこする癖のある方に多いと言われています。

軽度の円錐角膜なら眼鏡での視力補正は可能ですが、症状が進行してくると眼鏡での矯正は難しくなりますのでハードコンタクトレンズによる矯正が適応となります。

変形した角膜とコンタクトレンズの間に涙が溜まることによって、生じた乱視を矯正することができます。
コンタクトレンズでの矯正が難しくなるほどに進行した円錐角膜には角膜を入れ替える手術による治療を検討していきます。

円錐角膜治療のできる施設で眼科専門医に相談することをお勧め

手術を施行した場合、拒絶反応や感染症の予防のために長期的な点眼治療が必要になります。

ですが、最近では角膜移植を回避、もしくは先延ばしをする新たな治療法が行える施設も増えています。

角膜クロスリンキング、角膜リングといった治療法では角膜を移植せずに進行を抑えることが可能になりましたが、眼の状態によっては不適応の場合もありますので円錐角膜治療のできる施設で眼科専門医に相談することをお勧めします。

ご自身の目の状態を先ずは眼科でしっかりと検査してもらう

円錐角膜になったからといって日常の生活については目を擦ったりしない限り、特に制限はありません。

近視抑制効果として利用者の希望が増えてきたオルソケラトロジーは円錐角膜の眼には適応しませんし、レーシック治療も受けることはできないので、ご自身の目の状態を先ずは眼科でしっかりと検査してもらうのが良いかと思います。

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