第31回「寒い時期に起こりやすい目の症状について」

冬は他の季節よりも目が乾燥しやすい

気温の低下とともに乾燥することで目に痛みを感じたり、コンタクトレンズを使用される方は装着が行いにくくなるなど、状態は様々ではありますが、これは目の表面を覆っている涙の量が少なくなってきていることも理由と言われています。

気温の差が大きいときは要注意

脳卒中や心筋梗塞など、気温の差が大きい時に発症してしまうのと同様に、目も網膜に通じている動脈や静脈が閉塞して急な視力低下を招く可能性もあります。

他では「結膜下出血」「ドライアイ」「緑内障」なども挙げられますが、結膜下出血という症状は耳にしたことがある程度かもしれませんね。
出血、と病名につくと焦ってしまいがちですが、実はこの症状について基本的にほとんど心配はありません。
わかりやすくご説明すると目の白い部分が出血して赤くなってしまう症状ですが、実際にそのような症状を経験された方もおられるのではないかと思います。
結膜下出血は結膜下の小さい血管が破れて出血したもので下の写真のように白目の部分が赤く染まった状態になります。

多少の違和感、特にゴロゴロした感覚はあるものの、痛みや視力の低下はありませんし、通常は1、2週間ほどで自然吸収されます。
症状が強い方では2、3ヶ月かかりますが、何れにしても消えていきますのでご安心ください。

次に該当される方は眼科への受診をお勧めします

・ 眼の外傷によるもの
・ 痛みや痒みを伴うもの
・ この症状を頻繁に繰り返している
・ 熱が出る
角膜は血管を持っていませんが、結膜は大小の血管が多数存在しています。
結膜の出血の程度も大小ありますが、自覚症状はほとんどありません。
赤く染まったからといって視野が狭くなるわけでもなく、視力への影響は少ないですが万が一、視野の欠けを感じたら直ぐに眼科受診してくださいね。
充血と混同されてしまう方も多いのですが、出血と充血は違います。
充血は細い血管が拡張している状態で、破けているわけではありません。

治療が必要な結膜下出血は
・ 眼局所の要因
・ 全身性疾患
・ 原因不明
などが挙げられます。
眼外傷、手術中の影響などにより出血が起きることがありますが、この場合は感染予防も含めて眼科医による処置が必要です。
急性出血性結膜炎や流行性角結膜炎などにも起こります。
この場合には自覚症状が現れますので必ず受診しましょう。
全身性の疾患によるものでは代表的なところで動脈硬化や高血圧、糖尿病、腎炎といった病名が挙げられます。
結膜下出血が一時的ではなく、頻繁に繰り返されるようであればこれらの症状が疑われますので内科を受診されることをお勧めします。
放置しておくと眼底出血が起こる可能性もあるので、最悪は失明原因にもつながりますので要注意です!!
原因不明については、その名の通りで自身でも心当たりがなく不安に感じたら念のため眼科を受診してください。

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