第2回 「白内障の種類」

今回は白内障の種類についてのお話です。

年齢を重ねることで本来透明の水晶体に、濁りが生じてくるのが白内障です。それにより光を通す量が変化して、視力に影響を及ぼします。

水晶体は直径約9ミリ、厚さは約4ミリ程度の透明なレンズで、嚢(のう)と呼ばれるセロファンのような薄い透明な膜に包まれています。
嚢の中には透明なタンパク質がつまっていて若い頃の水晶体には弾力性があり、自由自在に厚さを変えてピントを合わすことができますが、年齢を重ねることによって中央部分から次第に硬くなり、濁りがでてきます。

正常な眼
正常な眼

水晶体の中央部分を「核」、周囲のやわらかい部分を「皮質」といい、核は年齢とともに次第に大きく硬くなっていきます。
水晶体の濁りは40歳代で20%、50歳代で50%、60歳代で80%の人々に生じていると言われていますが、白内障にはいろんな種類があることをご存知でしょうか?
白内障はすべて症状が同じというわけではないのです。

・皮質白内障

水晶体のまわりの部分の皮質から濁りが生じる白内障です。

この白内障は濁りが瞳の真ん中に到達しなければ症状は感じにくいと言われています。水晶体の周辺から中央に向かってジワジワと進行するので見え方にもすぐに影響を及ぼすわけではありません。
ですが一旦真ん中に濁りが到達するとそこからの進行は早くなります。

皮質白内障の眼
皮質白内障の眼

・核白内障

これは水晶体の中央からだんだん硬くなり、茶色く濁ってくるタイプの白内障です。
この白内障は水晶体が硬くなるのでレンズの屈折率が高くなります。
そのためメガネを作り変えるたびに度数が上がり、そのサイクルも早くなっていきます。
40歳以降になっても短い期間で度数が進行している方は、念のため眼科で検査をお受けになることをお勧めします。

核白内障はいずれ濁りが酷くなって、度数を変えても思うように視力が上がらなくなっていきます。また、水晶体が硬くなるにつれて色も付いていき、透明から黄色っぽくなり徐々に茶色、こげ茶色へと変化します。
感覚としては常に薄い色のサングラスを通してものを見ている状態になり色の判別がしにくい状態に変わっていきます。
画家のモネが白内障で晩年の作品の色使いが変わったことは有名な話ですね。

核白内障の眼
核白内障の眼

次回はその他の白内障の種類についてご紹介します。

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