補聴器の種類としくみ

補聴器の種類としくみ

補聴器トレンド

スタイリッシュな充電式補聴器

  • 最近「イヤホンやヘッドホンを装着したスタイル」が一つのファッションアイコンとなっています。
    このような流れの中で補聴器も、コンパクトでスタイリッシュなモデルが人気です。
    さらに補聴器は「デザイン」「カラー」といったファッション性に「充電式」という便利さがプラスされています。
    これまでは1~2週間ごとに使い捨て電池の交換が必要で、その電池購入をふくめてわずらわしいというお客様の声が多くありました。
    充電式補聴器はこうした電池交換作業がなくなり、スマートにお使いいただけるようになっています。

  • スタイリッシュな充電式補聴器

充電式補聴器の多くは最新スマートフォン同様に「非接触型充電方式」を採用しワイヤレス充電されます。
この完全密閉構造で防水性が高くなり、故障も少なくなるというメリットがあります。
そして今後のさらなる進化として、インターネットを介したクラウドを利用した各種連携サービスに期待が高まっております。
すでに最近の補聴器はスマートフォンとの連携が可能で、アプリ上で最適の音に自動調整することが可能です。

<補聴器価格の一例>

スタイリッシュデザイン・デジタル補聴器(充電式)
基本性能重視のバリューモデル

「スタイレットエッセンシャル1NX」(充電器セット込価格)

  • 片耳174,000円
  • 両耳304,000円

補聴器の聴こえ方

  • 「補聴器をつけるとかつての聞こえを取り戻せる」
    これは正しくもあり、一方では誤解を受けているところです。
    補聴器はあくまでも聞こえをサポートするもので、必ずしもかつての聞こえに戻るというわけではありません。
    聞こえの仕組みは、耳という器官を通して、その音の振動を信号として脳に情報伝達され、そこで処理が行われて聞こえが認識されます。
    そのため補聴器は調整をしながら使い慣れていくことがとても大切で、補聴器をつけたからすぐに100%の効果を実感できるものではありません。
    補聴器の聞こえに慣れるには、トレーニングのような期間が必要です。
    私たちはお客さまに寄り添い、調整を繰り返しながら、聞こえに満足いただけるようにサポートいたします。

  • 補聴器の聴こえ方

with補聴器

補聴器をつけはじめの頃は、それまでの直接耳で聞く音とは違って、不自然な聞こえに感じる方もおられます。
それでも補聴器のテクノロジーはかつてのアナログからデジタルへと進歩し、自然な聞こえに近づける多くの機能が搭載されています。
また補聴器の聞こえの違和感は、お使いいただくなかで軽減されていきます。
「雑音が多い」「違和感がある」といって補聴器をすぐにあきらめてしまうのではなく、少しずつ時間をかけて慣れていくことがポイントです。

ノイズに感じる音

補聴器は、人の声を大きくしてくれますが、あわせて周囲の音も大きくなります。
エアコンの音や換気扇、雑踏音など、これまで聞こえていなかった小さな音が耳に入るようになると、それらはノイズと感じてしまいます。
慣れていく過程で気にならなくなるものですが、最新のデジタル補聴器では雑音抑制機能がついた機種もあります。

風切り音

風による雑音(風切り音)は、風が補聴器のマイクに直接当たることでおこります。
これは強い風に限らず、弱い風でも起こりえます。
最新の補聴器では、こうした風雑音を抑制する機能を搭載したモデルが増えています。

補聴器のしくみ

マイク

補聴器の機械的な仕組みは「マイクで音を集め、アンプ(マイクロチップ)で音をコントロールしながら大きくして、スピーカーから音を出す」というものです。
最新デジタル補聴器では「無指向性マイク」と「指向性マイク」の切り換えがマイクロチップ内で制御されています。
「無指向性マイクロホン」というのは、360°全方位の音を同じ感度で均一に集めますが、「指向性マイクロホン」は、正面の音を強調して集めます。
※「指向性マイクロホン」は背後や左右、斜め後ろからの騒音を抑制するなど様々なパターンがあります。
こうした機能によって、正面で会話をしている相手に焦点をしぼることができ、聞きたい会話に集中できるという利点があり、複数のマイクを搭載した機種では音のタイミング等を分析し音の方向を特定します。
また入ってくる音を分析し、その環境に合わせた電子制御で聞き取りやすい音に補整をするという機能を搭載したモデルもございます。

アンプ(マイクロチップ)

マイクで集められた音は、アンプに入り電気信号に変換されます。
元来アンプの役割は音を大きくすることですが、ただ音を大きくするだけではなく、大きさや方向、音域で音を分析し、必要な音をつくりながら増幅しています。
特にデジタル補聴器のアンプは、信号を処理するマイクロチップが搭載されており、ハイグレードコンピューターに匹敵する複雑な計算と音声処理を瞬時に高速処理を行っています。

リニアとノンリニア

  • 人の耳には聞こえる範囲(音の周波数帯域)があります。
    一般に年齢が上がるとともに聞こえが低下してくる「加齢性難聴」では、小さい音は聞こえづらくなりますが、大きい音の聞こえは変わりません。つまり、「聞こえる範囲」(ダイナミックレンジ)が狭くなっていきます。
    補聴器は、この「聞こえる範囲」の中に音をうまく収めるように調整をして聞き取りやすくしています。この「聞こえる範囲」の広さによって、音を大きくする方法(増幅方法)も変わります。
    増幅方法には〈リニア増幅〉と〈ノンリニア増幅〉があります。リニアは入ってきた音に比例して、ノンリニアは比例せずに音を大きくする方法です。

  • リニアとノンリニア

〈リニア増幅〉は、入ってくる音の大きさに関わらず一定で音を大きくします。小さい音は聞こえる大きさの音に、大きな音はさらに大きな音へと増幅をします。
そのため聴力の特性によっては「小さくて聞こえづらい」とか、ボリュームを上げると今度は「うるさく感じてしまう」ということが起こり、その都度音量の調整が必要になります。
〈ノンリニア増幅〉は、小さい音は増幅を大きくし(大きくする幅を大きく)、大きい音では増幅を小さくし(大きくする幅を小さく)、もしくは増幅をしないという調整をします。
つまり音を圧縮調整することで、お一人おひとりのお客様の聞こえの範囲に、音の設定を合わせているのです。
一般に補聴器のグレードが上がると、この設定のきめ細かさがアップし、快適な聞こえのつくり込みが可能になります。

補聴器と集音器

補聴器と集音器の違いに関して多く質問を受けます。
大きな違いは医療機器か否かというところになります。
「補聴器」は、薬事法の管理医療機器(クラスⅡ)に分類され、効果や安全面での厚生労働省の一定の基準をクリアする必要があります。
また販売に関しても管理者設置の義務付け等様々な制約が設けられています。
そして製品ごとに正式認定を受けない限り、製造および販売ができません。
「集音器」といわれるものにはこれらの、製造や販売などにおける特別な制約は設けられていません。
つまり誰がどこで販売しても問題がありません。そのためインターネットや家電量販店などでも簡単に手に入れることができます。

法制上の違い以上に大きな差がその性能になります。
当然、補聴器の方が集音器よりも圧倒的に多機能で高性能になります。
補聴器の製品にもよりますが、周りの雑音を抑える、特定の方向からの音を聞き取りやすくする、突然の大きな音を抑えるなど、様々な機能があります。
補聴器は、使う人それぞれの耳の状態に合わせて細やかな調整が可能です。
それに対して、集音器は基本的に音の増幅しかできないため、お一人おひとりに合わせて細かく調整することはできません。
要約しますと「補聴器」と「集音器」では、安全性と性能、装用した快適性に大きな差があるということになります。

取り扱いメーカー

補聴器取扱いすべての店舗で〈シグニア補聴器〉を取り扱っております。
また一部店舗では〈オーティコン補聴器〉〈ワイデックス補聴器〉〈リオネット補聴器〉の取り扱いも併せてございます。
詳しくは各店舗にお問い合わせください。

<オーティコン>

1904年設立のデンマークの企業で1946年より補聴器製造を開始。
企業理念「ピープル・ファースト」を掲げ、脳から考える「ブレインヒアリング」を推進。
オープンサウンドナビゲーターの設計コンセプトでは360°全方位の快適な聞こえと聞き取りを追求しました。

<シグニア>

1847年にベルリン創業のドイツの企業。創業以降130年以上にわたり聞こえのケアに取り組む。
自身の声と相手の声を判別する「OWN VOICE PROCESSING」搭載の最新機種はその静かさと快適性から初めて装用のお客様に特に高い評価がある。

<リオネット>

1944年に設立の日本企業。1948年日本で初めて量産型補聴器を発売。
メードインジャパンの安心感と国内耳鼻科との連携にも強い。
電池の向きを気にしなくてもよいなど、細やかな配慮や操作性にこだわりを持つ。

<ワイデックス>

1956年にコペンハーゲン創業のデンマークの企業。
世界初の耳穴型デジタル補聴器を生み出し、メリハリと明瞭感のある音作りと細やかな配慮にも定評がある。
アンプに搭載されるマイクロチップ開発力にも自信。革新的な製品を生み出している。

補聴器への一歩

  • 「聞こえを取り戻す」ことは、長い年月聞こえていなかった音を思い出すことも必要です。
    補聴器をつけてからが聴く練習の始まりでもあります。
    金鳳堂では、お客様とともに聴く練習を進めるサポートプログラムをご用意しております。
    お一人おひとりの慣れ具合に合わせて、少しずつステップアップを進めてまいります。

    ぜひお気軽にご相談いただけましたら幸いです。

  • 補聴器への一歩

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